なぜ、抗がん剤治療で髪が抜けるのか
抗がん剤治療を控えている方、あるいはすでに治療中の方にとって、「脱毛」は大きな不安の一つだと思います。ここでは、なぜ脱毛が起きるのか、いつ頃から始まり、いつ頃生えそろうのかという基礎知識を、一次情報をもとに整理します。
髪の毛をつくる毛根の細胞は、体の中でも特に分裂・増殖のスピードが速い細胞です。抗がん剤は、がん細胞のように分裂の活発な細胞に作用する仕組みを持っているため、がん細胞だけでなく、同じように分裂が活発な毛根の細胞にも影響が及びます。これが、抗がん剤治療で脱毛が起こる理由です。
脱毛の程度は、使用する抗がん剤の種類や量によって異なり、個人差も大きいとされています。ここで紹介する期間の目安も、あくまで一般的な傾向としてお読みください。
治療開始から、脱毛が始まるまでの経過
国立がん研究センターの情報によると、一般的に、治療開始後2〜3週間ほどで脱毛の症状が出始めることが多く、1〜2ヶ月で全て脱毛する場合もあるとされています。
突然、明らかな量の髪が抜け始めることが多いため、心の準備をしていても驚く方が少なくありません。前もって、帽子やウィッグなど、必要になりそうなものを準備しておくと、いざという時にあわてずに済みます。
治療終了後、生えそろうまでの期間の目安
脱毛は一時的な症状で、治療終了後にはまた髪が生え始めます。国立がん研究センター東病院の情報では、治療終了後しばらくすると生え始め、約6ヶ月で回復するという目安が示されています。静岡県立静岡がんセンターの資料でも、治療終了後6ヶ月くらい(早い人では2〜4ヶ月)で髪が生え始めるとされており、これらの情報はおおむね近い傾向を示しています。
こちらも個人差が大きい部分です。生え方や時期には差があり、元の髪質と少し違ったり、当初は毛量が少なく感じられたりすることもあるとされています。
私たちの場合は——一般的な経過とほぼ一致
ここからは、あくまで事実面としての実体験です。妻の場合、抗がん剤治療の開始から、実際に脱毛が始まるまでの期間は、3週間ちょっとでした。
神野司
私たちの場合は、事前に医師から聞いていた見通しと、実際の経過がほぼ一致していました。もちろん、これはあくまで私たちのケースであり、すべての方に当てはまるとは限りません。ただ、「治療開始後、数週間で始まることが多い」という一般的な情報は、心の準備をする上で一つの目安になると思います。
準備は、早めに始めておくと安心
脱毛が始まるタイミングには個人差がありますが、「治療開始後2〜3週間ほど」という目安を知っておくだけでも、心構えは変わってきます。ウィッグや帽子をいつ頃から準備しておくとよいかについては、以下の記事で詳しく触れています。
また、実際に脱毛に直面したときの気持ちの面については、以下の記事で触れていますので、あわせてご覧いただければと思います。
脱毛に直面したとき、家族としてどう向き合ったか
wigcarelife.com
まとめ
抗がん剤治療による脱毛は、毛根の細胞が分裂の活発な細胞であるがゆえに起こる、一時的な症状です。一般的には治療開始後2〜3週間ほどで始まり、治療終了後は半年前後で回復に向かうとされていますが、個人差も大きい部分です。私たちの場合は、事前に聞いていた見通しとほぼ一致した経過をたどりました。この記事が、これから治療を控えている方の、心の準備の一助になれば幸いです。
- 執筆者
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神野司(かみの つかさ)
妻のがん闘病を支える中で、大阪市の医療用ウィッグ助成制度を実際に利用。
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