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腫れ物に触るように接しなかった理由|32年の夫婦関係と介護の仕事から

腫れ物に触るように接しなかった理由|32年の夫婦関係と介護の仕事から

「抗がん剤治療中の家族に、どんな言葉をかければいいのか」

この記事では、そんな疑問に、正直にお答えします。ただ、先に断って
おきたいことがあります。私自身は、妻にかける言葉を、
特別に意識したことがありません。

「意識しない」ことを、意識していた

言葉を選んで、気を遣いながら接する——それも一つのやり方だと思います。
ですが、私たち夫婦にとっては、
「意識して接すると、腫れ物に触るような関係になってしまう」

という感覚の方が強くありました。

結婚して今年で32年になります。お互い、言いたいことは言う。それが
間違いだと気づけば、素直に謝る。そういう関係を続けてきました。

神野司

神野司

妻にかけて良かった言葉、と聞かれても、正直、意識していないので
振り返ってもよく分かりません。ただ、妻にはいつも感謝しているので、
無意識のうちに、体や心を気遣った声かけや態度をしていたのだと思います。

遠慮がないからこそ、強くあたってしまうこともある

遠慮のない関係には、良い面ばかりではありません。以前の記事でも触れた
通り、失語症で妻の気持ちがうまく伝わらなかった時期、
私は強くあたってしまい、後から反省した
ことがあります。

それでも、腫れ物に触るように接するより、本音でぶつかり合う方が、
後々強い絆につながると、私は思っています。これは、介護の仕事を
通じて感じてきたことでもあります。

介護の現場で学んだ、「本音」の価値

訪問介護の仕事でも、同じことを感じてきました。
利用者様に対して腫れ物に触るように接していると、本当の信頼関係は
築けません。

たとえその瞬間はお互い傷つくことがあっても、本音で真っ向から
向き合う方が、結果として強い絆で結ばれる
——これは、
介護の仕事でも、夫婦の関係でも、同じだと感じています。

周囲の人も、いつも通りでいてくれた

妻の姉も、私と同じような接し方でした。特別なことは何も言わず、
普段通りに接してくれていました。

「何か特別な言葉をかけなければ」と気負う必要はないのかもしれません。
普段通りでいることも、一つの支え方だと思います。

まとめ:正解は、それぞれの関係の中にある

「かけてよかった言葉」を探していた方には、拍子抜けする内容だった
かもしれません。ですが、特別な言葉より、これまでの関係性を
変えずに接すること
が、私たち夫婦にとっての向き合い方でした。

ご家族との関係性によって、正解は異なると思います。無理に「良い言葉」
を探すより、いつも通りの自分でいることも、選択肢の一つとして
考えてみてください。

妻の脱毛に直面した際の記録については、こちらの記事もあわせてご覧ください。

執筆者
神野司(かみの つかさ)
妻のがん闘病を支える中で、大阪市の医療用ウィッグ助成制度を実際に利用。
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