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医療用ウィッグとファッションウィッグ、何が違うのか

医療用ウィッグとファッションウィッグ、何が違うのか

「医療用ウィッグ」と「ファッションウィッグ」、名前は聞いたことがあっても、
実際に何が違うのか分からないという方は多いと思います。

これからウィッグを選ぼうとしている方に向けて、この記事では、
両者の違いと、選ぶ際に確認しておきたいポイントを整理します。

目的の違いが、そのまま作りの違いになる

医療用ウィッグは、抗がん剤治療や脱毛症など、病気や治療による
脱毛をカバーする目的で作られています。自毛がまったくない、あるいは
著しく減少した、デリケートな頭皮に直接触れることを前提に設計されています。

一方、ファッションウィッグは、自毛がある状態で、
ヘアスタイルや髪色を変えておしゃれを楽しむためのものです。
コスプレやイメージチェンジなど、用途はさまざまです。

この「頭皮に直接触れるかどうか」という前提の違いが、
素材やサイズ調整機能など、あらゆる作りの違いにつながっています。

医療用ウィッグならではの3つのこだわり

①地肌に優しい素材

脱毛した状態の頭皮は、非常にデリケートです。
医療用ウィッグは、肌あたりの良い柔らかいメッシュ素材や、通気性の高い生地を
使用していることが多い
とされています。長期間、日常的に着用することを
前提にしているため、耐久性の高さも重視されています。

②サイズ調整機能

治療の過程では、髪が抜ける、再び生えてくるなど、頭のサイズが
変化していきます。
医療用ウィッグの多くは、こうした変化に対応できる
アジャスター(サイズ調整機能)を備えています。

③自然な見た目

医療用ウィッグは、脱毛前の地毛の状態に
近い、自然な見た目になるように作られている
ことが多いです。
ファッションウィッグには、地毛では叶えられないカラフルな髪色や、
個性的なヘアスタイルのものも多くありますが、医療用ウィッグは
「いつも通りの自分」に近づけることを重視した設計になっています。

「医療用ウィッグ」に、実は明確な定義はない

ここで、意外と知られていない事実をお伝えします。
「医療用ウィッグ」という言葉自体に、法律上の明確な定義があるわけではありません。

ただし、選ぶ際の一つの目安になる認証があります。「M.wig」マーク
です。これは、2015年に制定された国家規格「JIS S 9623(医療用ウィッグ及び
附属品―一般仕様)」への適合試験に合格した製品にのみ、日本毛髪工業協同組合
(JHAIR)から与えられる認証です。業界の自主的な目安ではなく、
国の産業規格(JIS)に基づいた認証
である点は、選ぶ際の安心材料になります。

ウィッグを選ぶ際、この「M.wig」マークの有無を一つの基準にしてみるのも
良い方法です。ただし、このマークが無いから粗悪品というわけではなく、
すべてのメーカーが取得しているわけではない点も理解しておいてください。

ファッションウィッグを医療用に使ってはいけない、というわけではない

もう一つ、誤解されやすい点があります。医療用ウィッグとファッション
ウィッグは、厳密に使い分けが決められているわけではありません。

医療用としてファッションウィッグを使うことも、ファッション用途で
医療用ウィッグを使うことも、実際には可能です。ただし、ファッション
ウィッグの中には、必ずしも地肌に優しい素材が使われているとは限らない
商品もあるため、治療中に長時間着用する目的であれば、
医療用として作られたものを選ぶ方が安心
だと言えます。

選ぶときに確認したいポイント

素材・肌あたり
敏感になった頭皮に直接触れるものなので、素材の柔らかさ・通気性を確認する
サイズ調整の有無
治療の経過で頭のサイズが変わることを見越して、アジャスター機能があるか確認する
お手入れのしやすさ
日常的に使うものなので、洗い方・お手入れの手間も事前に確認しておく
M.wigマークの有無
必須ではないが、安全性を判断する一つの目安になる

まとめ:迷ったら「医療用」表示のあるものから

ファッションウィッグでも医療用として使えないわけではありませんが、
長時間、日常的に着用することを考えると、医療用として作られた
ウィッグから検討するのが安心
です。

価格だけで選ばず、素材やサイズ調整機能、お手入れのしやすさまで含めて、
長い目で見て選んでみてください。

実際にウィッグを選んだ体験については、こちらの記事もあわせてご覧ください。

執筆者
神野司(かみの つかさ)
妻のがん闘病を支える中で、大阪市の医療用ウィッグ助成制度を実際に利用。
詳しいプロフィールはこちら

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