この記事は、体験談ではありません
正直にお伝えします。私たち夫婦には、伝える相手となる小さな子どもがいません。ですので、「ママの脱毛やウィッグについて、子どもにどう伝えたか」という実体験は、私自身にはありません。
それでも、同じような状況にいる読者の方から「子どもにどう説明すればいいのか分からない」という悩みは、決して珍しいものではないと感じています。この記事では、私たちの体験ではなく、国立がん研究センターが公開している情報をもとに、考え方の土台となる部分を整理してお伝えします。
子どもに伝えるタイミングは、いつがいいのか
国立がん研究センター がん情報サービスによれば、病気について子どもに話すかどうか、いつ話すかは、本人の意向や病気・治療の状況、子どもの年齢や発達、家族の生活状況などによって異なるとされています。絶対的な「正解のタイミング」があるわけではない、というのが前提です。
そのうえで、一つの目安として挙げられているのが、子どもの目から見て分かるような、親の体や生活の変化が起こるときです。脱毛やウィッグの使用は、まさに「子どもが気づきやすい変化」にあたります。隠しきれなくなってから慌てて説明するより、変化が起こる前後のタイミングで、あらかじめ伝えておくという考え方は、参考になるかもしれません。
伝え方の工夫|年齢に応じた理解に合わせる
「年齢別に、こう伝えればいい」という具体的な言い回しの型までは、国立がん研究センターの情報にも示されていません。ここで無理に年齢別の台本のようなものを作ることは、かえって実態に合わない情報になってしまうと考え、この記事では避けます。
代わりに示されているのは、次のような一般的な考え方です。
- 分かりやすく、具体的に
- 子どもが理解できる言葉で、できるだけ具体的な内容を伝える
- 段階的に伝える
- 一度にすべてを話そうとせず、一番伝えたいことから順に、段階を踏んで伝える
- 発達に合わせる
- その子なりの理解の仕方に合わせて、説明の深さや言葉を調整する
言い換えれば、「年齢」そのものより、「その子が今どこまで理解できるか」を基準に考える、という視点だと私は受け止めています。同じ年齢でも、理解の進み方は子どもによって違うはずです。
子どもがウィッグに気づいたときの対応
あらかじめ伝えていたとしても、実際にウィッグを目にした子どもが、驚いたり、不思議に思ったりすることはあると思います。そうした場面でも、先に触れた「分かりやすく、具体的に」「段階的に」という考え方は、そのまま活かせるはずです。
子どもの反応は、ショックを受けたり、悲しんだりすることもあれば、思ったより落ち着いていることもあり、一様ではありません。国立がん研究センターの情報でも、子どもは時間がかかったとしても、事実を受け止めて対処していく力を持っている、という趣旨が述べられています。一度の説明で「うまく受け止めさせよう」と気負いすぎなくてもよいのかもしれません。
一人で抱え込まず、相談できる窓口もある
子どもへの伝え方に迷ったとき、家族だけで抱え込む必要はありません。がん診療連携拠点病院を中心に設置されている「がん相談支援センター」では、治療のことだけでなく、こうした家族内のコミュニケーションについても相談できる体制が整えられています。
私自身、この制度の存在を後から知り、「知っていれば、もっと早く頼れる先があった」と感じた経験があります(詳しくは記事13でも触れています)。子どもへの伝え方についても、一人で抱え込まず、専門家の視点を借りるという選択肢を、頭の片隅に置いていただければと思います。
妻の脱毛に直面した際、家族として最初にしたことについては、こちらの記事もあわせてご覧ください。
妻の脱毛に直面したとき、家族として最初にしたこと
wigcarelife.com
まとめ
子どもへの伝え方に、絶対的な正解はありません。私自身は経験していないことですが、国立がん研究センターの情報を調べる中で、「年齢別の台本」よりも「その子の理解に合わせて、具体的に、段階的に伝える」という考え方の方が、実態に近いのだと感じました。迷ったときは、一人で抱え込まず、がん相談支援センターのような窓口を頼ることも選択肢に入れてみてください。
- 執筆者
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神野司(かみの つかさ)
妻のがん闘病を支える中で、大阪市の医療用ウィッグ助成制度を実際に利用。
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